「私は何て呼ばれるんだろ……?」
ボソッと呟いた言葉にその場に居た全員が吹き出した。
だって、すごく真剣な顔してたのに呟いた言葉がそれって……
「だってぇ、香穂ちゃんはちゃん付けでしょ?私がちゃん付けって変じゃない?だけどさん付けってバイトだし?」
「呼びやすいように呼んだらいいんじゃね?」
彼女の疑問に答えたのは……
――大久保さんだった。
突然の登場に私の心臓はドクンって大きく脈打つ。
だけど、ちょっとお疲れっぽい?
まだ朝なんですけど……
「波留さん、打ち合わせ終わったんすか?」
「解放された」
佐野さんが声を掛けるとだるそうに首に手を添え、頭を回しながらボソッと呟き窓際へ歩いていく。

