スラリとして背が高く、ストレートロングの黒髪が特徴的な彼女はモデルさんみたいな綺麗な顔を綻ばせて
「専業主婦なの」
「は?っえぇっ!見えませんっ!」
思わず叫んだ私は両手を口元に当てたけど、言葉はすでに取り返しがつかなくて。
「えへへ。よく言われるんだ」
ちょっと頬を赤くした熊谷さんは綺麗なうえ可愛く見えたんだ。
「じゃあ、あとは波留さんが来たら打ち合わせ始めるから、ちょっとここで座って待ってて。充、椅子持ってきて」
佐野さんに声を掛けられ、私に椅子を持ってきてくれた男の子は青木 充<アオキ ミツル>ですと自己紹介をしてくれた。
今年成人式を迎えた20歳だって。

