「そのうち、ねっ」 そう言って嫌がらせのように軽く頭を撫でると、やっぱり「ギャーッ!」と叫んで手を思いっきり払いのけられた。 「もう!せっかく頑張ったのにぃ」 さりげなく盛り上げた頭頂部が少しだけ崩れて、手櫛でブツブツ言って直している茜に笑いながら駅へ向かう。 市民ホールは最寄駅から2駅。 交通費が支給されるし、実は定期を持ってたりする。 午前中で終わりなら、帰りに買い物でもしようかな? そんな事を考え電車通勤を選んだ私は茜と一緒に改札を潜った。 後から考えると大失敗……