「行こうかなぁ」



ふと思いついたのは韓国。


傷心旅行に行って、買い物して美味しいもの食べて。



そして帰ってきたら……


自分の足で歩くために、ちゃんとした仕事を探そうかな。


就職難だけど何時までもフリーターっていう年齢じゃないし。


韓国語を活かせる仕事。



もし百合さんと会う事が出来たなら、今の自分よりも、少し成長した姿を見て欲しいから。



鞄に入っている便箋を取り出した。

数日前、波留さんの会社から届いた現金書留に入っていた2枚の便箋。

開くと罫線いっぱいに書かれた大きく力強い文字が目に映る。


波留さんの……



直筆。