自分を励ますようにもう少しと繰り返しながら駅へ到着した電車を飛び降りると、早足で階段を駆け下り改札を潜る。
もう少しだから。
鼻の奥がツンとして、私は駆け出すように家までの道程を走る。
ヒールが走りにくい。
周りの人が私を怪訝そうに見ている。
それでも足を止められない。
懸命に動かして動かして。
家が見えた瞬間……
堪えていた涙がとうとう溢れてしまった。
もう少しだったのに……
走ったせいで乱れる息の間を縫うように嗚咽が零れる。
苦しくて。
苦しくて。
あと数メートルで辿り着く家の前でしゃがみ込んだ。
嗚咽を堪えようとすると肩が震える。

