せめて家に帰るまでは堪えたい。 帰って、自分の部屋で誰にも何にも遠慮せず、声を出して泣きたいから。 もう少し我慢。 もう少し待って。 零れそうに盛り上がる涙を消してしまおうと鞄に入っていたティッシュで吸い取る。 鼻の奥が痛い。 ジンと痺れるような感覚。 何とか駅に到着し、改札口を通ってホームへと向かう。 階段を上がったと同時にホームへ滑り込んできた電車に乗り込むと、何も考えないように目を瞑った。 ガタンガタンと揺れる心地よさにホッと溜め息を付く。 家まであともう少し。 もう少し。