お願いしますと頭を下げて、鞄を受け取るとそのまま出口へ向かって歩きながら鞄と一緒に渡された紙袋を覗きこんだ。
そこには会員のお客さんに来場プレゼントとして配っていたマグネットブレスの箱と評論家先生のサインが書かれた色紙。
きっと俊さんが今日も気を利かせてくれたくれたんだと思うと、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
最後にこんな中途半端な形でバイトを終わらせてしまった事。
波留さんを始め百合さんや俊さんにまで迷惑を掛けてしまった事。
でも、会場へ向かう勇気を今の私は持ち合わせていなくて。
改めて俊さんには連絡しようと思いながら駅へ向かって歩く。

