ドアの前で立ち止まったように感じたけどそれでも顔を上げれなくて。
「荷物は1階のフロントに預けておくから。それじゃあ……」
もう波留さんと会う事はないのに。
会えないのに……
それでも最後に波留さんを見る勇気が私にはなくて……
後ろでカチャリとドアロックの音がするのを聞いていた。
終わった……
波留さんに想いを伝えた。
私の真剣な想いは波留さんに届いた。
それは受け取ってもらえなかったけど。
やっと顔を上げる事の出来た私は泣きながら波留さんの座っていたソファーを眺めながらさっきのやり取りを思い返していた。

