「……よかったと思います」
涙が零れないように下を向いて瞬きをしようとするけど、溢れる量が多くて、瞬きすると零れ落ちてしまう。
泣くな!まだ泣いちゃダメ!
「あ……りがとう……ございました」
言えた……
「香穂」
小さいけど私の耳にはちゃんと届く波留さんの声。
「……」
何か言いかけたのか聞き取れない音がしたあと、口を噤んだのか後が続かないようで。
「……今日のバイト代は履歴書の住所に現金書留で送る。落ち着いたらこのまま帰っていい。俺は仕事に戻らないといけないから」
立ち上がる気配を感じながらも顔を上げられない私の横を通り過ぎる。

