「香穂と話して来いって言われたんだ」 波留さんはそう言うと、私から目線を逸らしてからもう一度煙草を吸う。 フウッと口から出る紫煙はさっきより白く見えた。 百合さんが波留さんに言ったんだ。 どこまでお人好しなんだろう…… 私と話すって事は、百合さんは私にチャンスを与えたって事? それは絶対に波留さんが私の事を何とも想っていないという自信なのか? それとも…… 「百合の事は、俊しか知らなかったんだ。昨日社長にはバレたんだけど」 波留さんはそう話を切り出した。