「……私ね、6年ぶりに先生に会ったの。すごく会いたかった先生でね」
百合さんは私に語りかけるように話し始めた。
――大学で先生の講義内容に感銘を受けた。
だから先生の著書を読破して分からない事は講義の後質問して。
先生の講義を受けなかったら今の自分は居なかった。
だから、今回のホテルイベントのゲストとして先生が来ると分かったらいてもたっても居られなくて。
職権乱用だって頷かなかった波留を懸命に説得した。
絶対に夫婦だと言わない事と、波留の言う事は必ず聞くと約束して。
他にも応募が来ていたアルバイトを断って3人枠の中に波留は私をねじ込んでくれた。

