「ご主人はどちらに?ご挨拶しようと思うんだけど」
ご主人って……
百合さんの旦那様って今日、此処にいるの?
え……?
「えぇ?」
思わず声が出たけど百合さんには届いていなくて。
百合さんが何か言いかけたのを遮る様に先生はそういえばと言葉を続けた。
「確か『熊谷』は旧姓だよね?今は確か……」
「はい、今は大久保です。あっ!」
百合さんの言葉に頭が心が全て凍りついた。
『大久保』
その名字の人を私は1人だけ知っている……
その人は……
「波留」
小さい声だったけど、百合さんは確かにハルと呼んだ。
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