ガチャリとドアが開き、評論家の先生が出てくる。
横には俊さんが居た。
評論家の先生は私達の姿を確認すると、今度は迷うことなく近づいてきて、受付のテーブル前で立ち止まる。
「君は確か……」
「ハイ!Y大学で先生の講義を受けていた熊谷です」
百合さんは今まで見た事のない真っ赤な顔で評論家の先生を見ていて。
先生も何かを思い出したのかポンと手を打つと「あの時の」と言って百合さんに微笑みかけた。
「確か僕がまだマスコミに出る前だったよね」
「そうです。だけど先生の著書はすべて読破してました」
「あはは。確か本を持ってきて熱心に質問してくれていたね」
私には全く分からない会話が進んでいく。

