「今じゃなくて?」

「うん、明日。明日でバイト終わるでしょ。だから」

「じゃあ明日聞かせてね」



聡君の問いかけに少しだけ意味深な言葉を残す百合さんに私は首を傾げたけど、彼女なりに事情があるんだと思った私はそう答えた。


電車に乗りながら百合さんの台詞を思い返す。



『明日でバイト終わるでしょ』



そう、明日でこの短期バイトは終わる。

何度も考えて分かっていたけど、波留さんと会うのも明日が最後な訳で。

今日は少しだけ波留さんの事を知る事が出来た。



知った私は……


ますます波留さんの事が知りたくなった。


人間って1つの欲が満たされると、それ以上の欲が生まれるんだなぁ。



波留さんを知る方法……