「って百合さんは?」 「あっ、私はいいの。いらないって言ったから」 その言葉に安心した私は、貰った色紙を鞄に仕舞った。 家に帰ったら茜に自慢しようっと! 「お疲れさまでした」 俊さんに声を掛けて別室を出ると、他の人達の邪魔にならないように端を通って会場の外へ出る。 聡君もサインを貰ったようで、両手に抱えて嬉しそうに立っていた。 疲れは帰ったら出そうだなぁと思いながらも働いたという充実感が優っている。 「明日も頑張ろうね」 そう言って3人で声を掛け合いながらホテルを後にした。