「波留さん、今戻りました」
充君が微笑みながら立っていた。
「おっ、早いな。じゃあ俺も休憩に行こうかな」
波留さんは立ち上がると私の向かい側へ移動し、充君が横に来る。
「じゃあもう少し頑張ってな」
波留さんは私達に笑いかけるとエレベーターへ向かって歩き出していて。
私は口を開けたまま、呆然としていた。
何を聞こうとしてたんだろう?
ドキドキと心拍の上がった心臓を落ち着かせようと深呼吸する。
「いらっしゃいませ」
充君の声に顔を上げると、お客さんが立っていた。
結局、イベントが終了するまで波留さんが受付に戻ってくる事はなく16時を過ぎ無事に初日が終了した。

