「この時間だとトークイベントなのはお客さんが知ってるから1人でも大丈夫だと思ってたんだけどな」
そう言うと椅子に腰かけて私にも座る様に椅子を指差す。
2人で正面のエレベーターを見ながらなぜか無言で。
だけど横に居る波留さんが何も言わなくても心地いいと思える。
微かな香水の匂いは波留さんの物で。
思いっきり息を吸い込むと肺が鼻の奥がすべて波留さんになる。
良く考えるとこうして波留さんと話す機会があるっていうのは初めての事で。
私は思い切って話しかけてみた。
「波留さん」
「ん?」
「……波留さんっていくつですか?」
「今年で27歳」

