その指輪は波留さんの細い指にすごく似合っていて。
よく目を凝らすと小さい石が埋め込まれている。
だけど私と波留さんの距離ではその石が何なのか分からなくて。
「じゃあイベントが始まったらまた来るから」
ヒラヒラと手を振って波留さんは会場へ戻って行った。
それから30分はあっという間で、波留さんに呼ばれて長テーブルの下に置いていた鞄を手に取る。
「あとの2人はロビーに居るから、ゆっくり食べておいで」
私達バイトの休憩を同じ時間に合わせてくれていたみたいで、「行ってきます」と頭を下げてエレベーターへ向かった。

