波留さんは穏やかに微笑みながらブースの前に立ち止まり何やら説明をしているみたいで、ご婦人の手を取っている。
きっと指輪を試してるんだということは分かるけど、モヤモヤとする胸はどうしようもない事で。
あんな風に波留さんに触れられたら……
変な妄想へと走りそうになり慌てて首をブンブンと振る。
「どうしたんですか?」
不思議そうに私を見る充君に何でもないと言うと、エレベーターから新たに降りてきたお客さんに向かって頭を下げた。
腕時計を見ると12時半を過ぎている。
お腹すいたなぁ。
鳴りそうなお腹を擦りながらそんな事を考えてると
「調子はどう?」

