会場の入口には『ST商事株式会社 宝石展示会会場』と垂れ幕が掛っている。
右側半分だけ開いたドアの向こうにはスーツ姿の人達が動いていた。
すでに社員は到着していて準備を始めているらしく、時々忙しそうに動き回る充君が見える。
「今日はうちの社員が15人ヘルプで来てくれてるから」
波留さんは扉へ向かいながら話しかけてきて、私はゴクリと唾を飲み込む。
チラチラ見える女の人達も遠目から綺麗な人達だと分かる。
こんな中で2日間、ちゃんと仕事が出来るのかな?
聡君はボソッと「あっ、あの人美人」って呟いていて。
波留さんはそんな聡君の頭を笑いながらクシャリと掴むと、そのまま会場内へと足を踏み入れた。

