「どうぞ」 紙コップに入れられたお茶を長テーブルに置いたのは私を部屋へ招き入れてくれた男性。 ドカッと前の椅子に座った男性は佐野 俊樹<サノ トシキ>と名乗った。 きっと20代半ばと思われるがっしりした体格の人で、体型には似合わない童顔の顔がちょこんと乗っている。 「君はハルさんの知り合い?」 「え?ハルさんって?」 「さっきの人」 親指で指差したのは…… 華奢な彼。 ブンブンと横に首を振ってから、下のエレベーター前で偶然会った事を話した。