「今、思うと…本当にバカみたいですよね私。何か、高木先生に話すと、本当に小さく思えてきました。」



あははっと苦笑する私に高木先生が微笑む。


高木先生:「それは、高校に来て成長した吉崎が、昔の自分に対して思うことだろう。…その時は、大きかったんじゃないか?」



………。



にっと微笑む高木先生が目に映る。




入学して早々、そんな高木先生が苦手だった。


真っ直ぐで優しくて、一緒にいればいるほど、好きになっていく自分が怖くてたまらなかった。




好きになるはずじゃなかった。



相手は先生。




大嫌いだった先生。



ずっと認めたくなかった。



でも、高木先生なら信じて傷付いてもいいやって思えたの。





高木先生:「…俺が、笑っているならそれは…、昔の俺のことを考えてくれる人がいるから。今も、吉崎がいるし。」



ソッと包まれる体がピクッと跳ねる。



ドキドキするよ、先生の腕の中は。



高木先生:「…それに、…誰にも取られたくないし触られたくも…ない。」



「え?」