賢志:「俺が、教えてやるよ。」



へ?っと思わず変な声を上げそうになり、慌てて答える。


「いい!いい!私、もう就職しようかなって思って!勉強は、私には無理だし。…一応手続きしちゃったから、とりあえず…入試は受け」


賢志:「何だよ、それ。」


私の話の途中で遮って、そう口にすると、スタスタと前を歩いて行く賢志。




「何だよ、それって…。仕方ないじゃん。諦めた方が…悩まなくて済むんだもん。イライラしなくて…済むんだから。」


ボソッと呟いた私の声は、もう賢志には届かなかった。



何よ…、隣歩くって言ったくせに…。先に行くなんて…。












はぁ…何だか私…バカみたい。