地図に貼ってあった写真のとうりのマンション。


5階建て。うん、合ってる。


ひとつひとつ確認しながら、マンションに入る私。


今日から、新しい生活がこのマンションで始まるんだ。

エレベーターがチンッと3階で止まり、私は降りた。

「わあ、凄い。」

3階からでも、マンションからの眺めは最高だった。今は3月で日が落ちるのは早いけど、きっとここからの夕日なんて見たら、絶対綺麗!!


「っと、それより、302、302っと…。」


改めて部屋を探しに、景色に背を向けて、部屋の番号を確かめる。

「あ、あった。…、うん。」


302と書かれた部屋のドアの横に、[高木]の表札をみてうなずく。


やっぱり、新しい事ってドキドキする。

様々な不安と高鳴る緊張感を抑えて、お父さんの「良い人」って言う言葉を頼りに、震える指先で、チャイムのボタンを押した。