何にも、聞かないのかな?


朝も、教室にいなかったはずなのに。



でも、聞かれても困るし。



逆に、ここにいさせてもらえてる。



お腹減った…。

隣で、弁当食いやがるから!



先生のお弁当箱の卵焼きをつまんで食べた。



高木先生:「あ!こらっ!自分の食えって。」


「お弁当、教室だもん。」



一口噛むと、ジワリと広がるダシの味…そして少し甘い…。


奈緒のお弁当の味。


「…いいね〜。先生、奈緒に惚れちゃうでしょー?」



ニヤリと笑いながら、先生を見る私にゴツンと先生の拳が頭に当たる。



高木先生:「バーカ!!惚れてちゃ悪いか!」




フンッと、また食べはじめる高木先生。



先生、今サラリと凄いこと口にしたよ!?




いいの?私にそんなこと言っちゃって!?





ガチャ、


奈緒:「高木先生…。」



高木先生:「どわぁッ!!!!吉崎!?何だ?!聞いてたのか?今の!?」


奈緒:「へ?何がですか?…あ!南!!こんな所に!!!」


ひっくり返りそうになった高木先生のお弁当をキャッチして私は、思わずふきだしてしまった。