「はぁ…。腹くくりますか!」

「くくるのはお前だけや。うちは被害者なんやで?!」

「何言ってんですか。試合を受けた時点で同罪ですよ」


局長の部屋はもう目前に迫っていた。


「…ここの人間はどこまで理不尽なんや…」


うな垂れて上目遣いで目の前の襖を見る。



「入れ」



声をかけるより先に襖の中からはよく通る低い声がした。

襖を開け、最初に目に入ってきたのは、先ほどと同じように上座に座る近藤と近藤より少し下座に座っている土方の姿。


土方は煙管をふかしながら楓を睨む。


(なんとも景気悪そうな顔やな)


土方の眼力に圧倒されることもなく、沖田と楓は近藤の前に座った。