ふと、見つけたシロツメグサを、私は一本だけ抜きとる。 そういえば慎治が昔、これで頭につける王冠みたいなのを作ってくれたっけ。 …当時、幼稚園ぐらいの私たちは、言葉の重みを知らなかったんだろう。 “ねぇ、美奈ちゃん” “なぁに??” “大人になったら、僕と結婚してくれる??” “もちろん” ――ごめん、慎治。 私は、その約束を果たせないよ。