ドアを開けると シャラン シャラン…… 心地よい鈴の音。 「……いらっしゃい。」 落ち着いたマスターらしき人の声。 そちらに顔を向けると 50代くらいのいい感じの おじさんがグラスを拭いていた。 「…初めてかい?」 そう聞かれ、反射的に首を縦に振る。 カウンターの1番手前の席に座り、 辺りを見渡す。 外から見たら小さく見えたが 中は案外広い感じで。 お客さんもちらほらと、 知る人ぞ知る店なんだろう。