パーカーの裾を捕まれる。



「――え?」




さっきまで俯いていた顔をこちらに向け、俺をすがるような瞳で見つめる。




「……どうしたの?」



「………。」



困ったなあ…。
雨も強くなってきたし…

俺は行動に移すことにした。




「…立てる?」



コクリと頷きゆっくり起立する彼女。


とりあえず駅まで行こうと
歩き始めてみる。



「…家まで送るよ。家どこ?」




今度は首を横に振る彼女。




困ったなあ~。