パソコンが一人一台あれば、ケータイも機能がいろいろと付いているのだし……。


 僕は予算が許せば、数年以内に電子書籍端末を購入するつもりでいた。


 二ヶ月分のバイト代を叩(はた)けば買えるぐらいまで値段が下がるものと思われる。


 いずれパソコンがなくても、タッチパネル式の電子書籍端末で研究ができるようになると思っていたし、実際そうなることもある程度想定済みなのだ。


 まあ、パソコンがなくなることはまずないと思っていたけれど……。


 僕たちは冬枯れた街にいて、普段は学校とバイトで充実した日を送りながら、冬休みを待つ。


 正月を挟んで長い休みがやってくるので、僕も慧子も休日を謳歌(おうか)できることを楽しみにしていた。


 大学の冬休みは無駄に長い。


 年末から、年明けの一月十五日ぐらいまでキャンパス自体が休みとなってしまうのだから……。


 もちろん上原研究室は例年十二月二十九日まで開いていて、年始は三箇日が終わった四日ぐらいから開くのだけれど……。