と返す。


「体調は大丈夫?」


「ええ。今年の後期ももうすぐで終わりだし」


 彼女は吐息をつく。


 そして手元にあるカップを手に取り、啜った。


 エスプレッソで淹れてあるコーヒーで、僕も苦味を感じ取る。


 その分、頼んでいたチョコレートケーキは甘かった。


 カフェには五十手前ぐらいの女性の店長が一人いる。


 そして従業員はほとんどが秋光大の学生だ。


 僕たちはいつもこのカフェでお茶を飲んでいる。


 三年前に入学したときからだった。


 いつもは横文字の文献ばかりを集めていて、疲れてしまう。


 ドイツ語関連のことも大概、ネット上で閲覧できるようになっている。