ハァと、頭上でわざとらしく溜め息つかれても、あたしの意識はうとうとしたままだ。



おっ、静かになった。


よし、このまま寝てしまおう。


どうせ今日は休日なんだから、たまの休みくらいゆっくり寝たい。



このまま夢の世界へ行かせてくれるのかと思ってた。


そんなあたしは、甘かった…………。




バサッと布団が捲られて、寒さに蹲りながら千尋を睨み返すと、なんとプチプチと上着のボタンを外していく千尋が視界に入った。



「な、なにしとんっ?」


「俺ね、これでも頑張ってやってるつもりやねん」


なにをでしょうか?


完全に外されてしまったボタン。


千尋のほどよく筋肉のついた胸板がさらされて…。



いやん、セクシー。


じゃねーよ。


「なんで脱ぐのっ?」


「欄が俺の頑張りをわかってくれんのなら……。

身体で教えなあかんかと」


「ちょちょちょ…いやーっ!!」



妖しい雰囲気を身につけたままベッドに入ってこないでぇ。


あたしの小さなハートには、かなり負担がかかってしまう状況に、あたしは急いで飛び起きた。