運命って、あるのかもしれない。
それともこれは、サンタクロースからプレゼントだろうか。
「…欄…さん…?」
驚きに目を見開いている千尋がいたんだ。
いるはずのないあたしを見て、口をパクパクさせている。
「金魚みたい」
「なんでおんの……?」
化物を見てるみたいに、指を指すなよ。
本当に、ムカつくなぁ。
コートのポケットに手を入れて、千尋を睨んでやる。
「千尋こそ、こんな時間に何でおるん?」
「え……それは。
ちょっと社長と、揉めてもて……」
マフラーを指で口元まで上げた千尋は、フイッと目を反らした。
「それって、あたしのことやろ?」
仕事ブチッたもんね。
千尋は。
ニヤリッと笑ってやると、ムスッとする千尋。
あんたが、怒るなつーの。
「千尋君、社会人としてお仕事は最後までせなあかんのちゃいますかぁ?」
「うっさいなぁ。
嫌になったんやから、しゃーないでしょ」
「なんで?」
千尋の直ぐ前まで来た。



