家に帰って、熱いコーヒーでも飲もうと考えていた。 -サクッ。 ん、今のあたしの足音じゃない。 だって、あたし今止まってるし。 -サクッ。 この足音は、あたしの後ろから聞こえる。 ………まさかね? そんなこと、あるわけないよね。 漫画やドラマじゃあるまいし。 でも、期待していた。 振り返ったら、大好きな千尋がいるんじゃないかって。 期待に胸を踊らせて、あたしはゆっくりと振り返った。