今日は朝からよく冷える。

それもそのはず、夜中から降り続いていた雪は今も止んでいない。



一歩足をだすたびに、シャリと雪を踏む音がなる。



あたしが向かう場所は、ただ一つ。


前に調べた、千尋の会社がある場所。


そこに千尋がいるとは限らない。


ううん、いない確率のほうが大きい。


もう夜も更けているから、仕事なんてしてないだろうし。


たまたま人がいても、千尋はいないだろう。


それならそれでいい。


行くことに意味があるんだ。


それに、何となく会えるんじゃないかなって……。



最悪なことが続けば、その後には幸せなことが待っている。



ねぇ、千尋。


あたしね、千尋のことがこんなに好きになるとは思ってなかったんだ。


モロタイプだったけど、恋に傷付いたばかりだったでしょ?


だからね、もう恋なんてうんざりだって思ってたの。