先輩に振られた日のように、めちゃくちゃに酔えたら楽なのに。


飲めば飲むほど、冷静になっていく。



「もう、あかん……。
あたしは、恋に向いてへんねん」


「向いてるとか言う前に、相手に問題あるんやない?」


コトンとグラスを置いて、皐月は一つ息をつく。


あたしは、すがる思いで皐月を見つめた。



「欄は、ええ奴や。
それは、あたしが保証する」



ジーン!!


感動した、皐月あたしのことそんなふうに思ってくれてたんだ。


やっぱり持つべきものは友達だね!



「やけど、ええ奴すぎで振り回されすぎなんはあかん。
しっかりせな、ホンマの恋するまえに遊ばれてポイッされるで」


「……もう、されました」


皐月まで千尋と同じことを言う。


あたしそんなに、駄目駄目なんだろうか。



「なんやっけ、千尋君?
なんなんメイドって。

ただの紐男やんかっ!」


「いや、千尋は仕事やって…」


あたしは、千尋とのことを全部皐月に話した。


すると、皐月は千尋のことも先輩同様だと言うから焦ってしまった。