次起きたら、クリスマスなんだ。


クリスマスが、待ち遠しかったはずなのに、あたしは沈んだ気持ちを上げられずにいた。



明日になれば、千尋とはお別れなんだ。



そう思うと、尚更寝られなくなった。




何時間ベッドでゴロゴロしていたんだろう。



うすらうすらと、睡魔に襲われ始めたのは多分夜中で。


-ガチャン。



ん? 千尋?


ドアが閉まる音がした。


ベッドから上半身を出して、重たい瞼を押し上げて時計を手に取った。



……4時?


めちゃくちゃ、朝方だよ。

何があったんだろ?と気になって、身体を擦りながらあったかいベッドから出る。


冷たいフローリングを歩き、寝室を出たら灯り一つなく、ソファーに寝ているはずの千尋の姿がそこになかった。



「………千尋?」


キョロキョロ見ても、いない。


お風呂場。

トイレ。

ベランダ。



「いないよね…?」



千尋が何処にもいない。


こんな明け方に、千尋は何処に行ったのか。


バタンと閉じられたのは、やっぱり千尋が部屋を出て行ったんだ。