だからこそ、あたしに対する神様の仕打ちが痛いなぁって思う。



向かい側から、女の子と歩いてくるのは間違いなく先輩ではないか。



あれが、新しい彼女かなぁ?


控えめに、先輩の隣にいる女の子を見る。


あたしよりも小さくて華奢で、童顔な顔には真ん丸な瞳に小さな唇。


先輩を一生懸命見上げている姿なんて、可愛くて仕方ない。



「あれが、タイプやったんかなぁ……」


「ん?」


まったく、あたしとは正反対だ。


あたしは、そんなに小さくないし細身でもふくよかでもない。


顔だって、平凡そのものだし。



はぁ…あんな可愛い子が現れたから、あたしは捨てられたのかもしれない。



このまま、先輩たちとすれ違い、また千尋と楽しく過ごせるって思ってたのにさ。




「欄さん、大丈夫?」


「ふぇっ!?」


ヤバイ!!


何で、このタイミングで名前を呼ぶんだっ。


千尋のバカヤロー!!



「……欄か?」


「あっ、こ…こんにちわぁ」


見事に鉢合わせになってしまった。