「やろっ!?
美味いよな! 此処に来て大正解やっ!!」



美味い。


確かに、此処に来て良かったよ。


でも、純粋にデザートだけのために此処に来て良かったとは言えない。


千尋は、そうなんだろうけど(目の輝きが違う)。


あたしは、千尋がいるから此処に来て良かったと思う。


千尋が甘い物が好きとか。

食べてる時は、子供みたいにキャッキャッしていることとか。


甘い物を食べているのに、コーヒーはブラックを飲むんだとか。


千尋の色んなことを知ることが出来た。


甘いデザートのような、甘い何かが、あたしの心にほわ〜んと広がっていって。

不思議なほど、あたしは千尋にどんどん惹かれていく。



「千尋……」


名前を呼ぶと、夢中になってプリンを食べている千尋は、食べたまま「んー?」と声を出した。



「また、こようなぁ!?」

「……ん。そやね?」



あたしは、また千尋とデートしたいと思う。


そのために、後2日を切ったことに少なからず焦りを感じて、何か千尋を引き止める方法はないかと無い頭で考えた。