恋の相手はメイド君!?

「そうなん?
ほなら、第1号が俺なんや……」


「う……うん」


膝に置いてある手を見つめていたけど、千尋の反応が気になって千尋を見上げた。


サングラスをとったから、長い前髪の隙間から、綺麗で優しい瞳が覗いていた。


「ふっ。 ご主人様の第1号になれるなんて、えらい光栄ですわ!」


あたしに向かいテーブルに頬杖ついていた千尋が、ニコリと微笑む。



ドキンッ!


心の鐘が煩く騒ぎだして、あたしは千尋をまともに見れずメニューに視線を移した。


千尋の開いているメニューを覗くわけだから、自然と距離は近くなる。


直ぐ近くある千尋が気になって、メニューを見るどころじゃないよ!


真剣に選んでいる、伏せられた長い睫が綺麗だなぁと思えるくらいだから、まだ少しの余裕はあるみたいだけどね。


いつ、心臓破裂するかわかったもんじゃない。