ホテルに行く仕事って、いったい何よ。


やましいことしか浮かばないよ。



「あたし、ずっと信じてたよ。
やけど、千尋がホテルに入るん……見たら……」



積み重ねてきた信用は、ガタガタと崩れていった。


どんなに好きでも、元には戻せないほどに、ガタガタに崩れて。


修復する方法なんて


ないんだよ…………。







「俺は、欄を裏切ってへん。
ホテルに入ったんは、それも仕事や」


「仕事、仕事って……信じるなんて無理やもんっ」



出来る限りは理解しようとする。


だけど、限度があるの。



「好きな人が、仕事やからって……、知らん人と内緒で会ってたり、ホテル行ったり……。

信じたくても、無理やもんっ!!」


「……欄」


「信じてたもんっ!
千尋は、ちゃうて!
千尋は、千尋はって……」


どんなに話合っても


あたし達は、もう終わりだ。


言わないって決めていたのに、結局千尋に当たってる。



だから、嫌だったのに……。



惨めだ。


千尋が好きだって。


別れたくないって、自分から言ってるみたいじゃない。