最後の意地みたいなもんだった。


何の取り柄もないあたしだけど、そんなあたしにだってプライドはある。


だから、千尋の前で泣いてやるもんか。


あたしから、きっぱり別れを告げてもやりたいけど、さすがにそこまで勇気は持てない。



ふと立ち止まり、都会の空を見上げた。


釈なことに、キラキラ夕陽が輝いて見えて、涙で腫らした目には痛く感じた。



「……ふぅー」



再出発だ。


きっと、当分恋なんて出来ないだろう。


悔しいけど、あたしは千尋が大好きだったから、簡単に心からおいやることの出来ない存在になってる。




本当、ムカつくよね。



散々人の気持ち掴んでおいてさ…………。



千尋の馬鹿野郎!


千尋の………。



馬鹿………。


















「大好き……」



さようなら。


千尋。