-ちゅ。


唇に柔らかい感触。


カァァと身体全体が熱る。


「行ってきますのキス」


「………っ…!」



甘くとろける笑顔にキュンとなり、思考停止だ。


「ほな、また電話すんなぁ!」



-ガチャ。


ドアが音を立て閉まった時にやっとあたしの思考は復活した。



な…なななんだ!


あんなことしてっ。

行って来ますのキスだなんて、そんな乙女チックなことを千尋がするなんて。


意外すぎるけど………。

















嬉しいぞ、コノヤロー!!

熱る頬に手を当て、ブンブンと左右に振って後悔した。


「く…クラクラするぅ」



駄目だ。


千尋といると心臓が持たない。


まいったなぁ。


惚れすぎだろ、あたしっ。