だから、この不安は心の隅に追いやろう。 千尋は大丈夫。 あたしが信じないと、この恋は何も始まらない。 夢を見た。 桜の木の下で、千尋と二人肩を寄せ合ってお弁当をひろげてるの。 ヒラヒラと舞う花びらに心踊り、あたしは幸せだったように思う。 千尋はずっと笑顔で、桜の木を見つめてた。 そして―。 「――――――」 その千尋の言葉は、どうしても聞き取れなかった。