「えっと……」


さらに目を泳がせる千尋。

唇を噛んだり、フゥと息を吐いたりしていて、さすがに緊張してきた。



告白は緊張しなかったのにね。


あたしの順番って、いろいろおかしいよね。




「好きって、俺のこと……やんな?」


「……うん」



考えことをしてるってことは、なんだ千尋はあたしのこと好きじゃないんだ。



ちゃんと期待した時もあったけど、人生上手くいかないもんだね。




「ええよっ!
あたしが、勝手に…」


「俺も好きやで」


「え? 千尋もって…」



好きな人を困らせたくなくて、何も言わなくていいと言おうとした。


けれど、千尋によって阻止された。


しかも、聞き間違いじゃないのと思う台詞まで……。


「俺も、欄が好きやで。
最初会った時は何も思ってなかったけど、純粋な欄にちょっとずつ惹かれた。

やから、あの日クリスマスは欄と過ごせんと思ったんや……」



それは、どういうこと?


膝を立てて、頭を下げているから千尋の表情がわからない。