「…て、あたしは何にをやっとんねん」


こんなメイドなんて、恥ずかしいし、第一に何故男なんだ。


普通は、メイドって可愛い女の子でしょ。



とか文句言いながらも、結局全部書いてしまった。



「あはは。まぁ、こんなの絶対に当たらないし!」


そうだ、懸賞なんて当たるわけない。


あたし、運ないし。


でも、もしクリスマス一人だったら寂しいしという安易なことで、あたしは翌日ポストに向かった。



当たるわけない。



そう思っていたのに……。














「当たったんか……」


「はい。ご主人様。
今日から一週間、クリスマスまでのメイドを担当させていただきます」



この男が、あたしがリクエストしたメイドだったわけだ。


「どうりであんた、モロタイプなわけや……」


「千尋って、呼んで下さい!」


うわぁ、眩しいですよ、その笑顔。


「千尋……ね。
んで、千尋が何なのかは分かった。
けど、なんであたしとベッドで寝てたんかは、どうしてもわからんのやけど」


メイドだろうが、なんだろうが一番気になるのは、そこなんだ。