「はい、お風呂上がりに千尋君特製スペシャルアイスをめしあがれ!」
「あ、ありがとう」
上がって早々脱ぐのは変な奴だ。
だから一先ずアイスを食べよう。
千尋の行為を無駄にしちゃうのもあれだしね。
パクンと一口頬張ると、口内に冷たく甘い味が広がった。
「美味しい」
「そりゃ良かった。
よぉさん、愛を込めて作ったからなぁ」
あたしの前に座って、頬杖ついてニコリと微笑む千尋に、ドキンと胸がトキメク。
愛を込めてって、千尋からしたらどういう意味なのか気になるとこだ。
聞いてみようかな?
「な、なぁ…」
「なんや?」
「愛を込めてって、なに?」
ん? と、一瞬目を見開いたかと思ったら、ウムムと眉間に皺を寄せる。
何だ、その反応は?
「意味が……必要か?」
「え? えっと……」
必要か?
と、逆に質問されても困るし。
誰しも必要とは限らないけど、あたしは必要なんだよ。
千尋の一言で左右されてしまうんだから。
だから、コクンと頷いた。