付き合うまでに時間はかかっていたけど、あたしは一度も皐月から弱音を聞いたことがなかった。



一年程で今の彼氏を落とした皐月は、今では憧れるほどラブラブで、あたしは恋人が出来たら二人みたいな関係になりたいと密かに思ってる。


言いたいことが、ちゃんと言い合えてお互いを大事にしている関係。


恥ずかしくて、皐月には言えないけどね。




「もし何かあれば、それこそ進歩やね。
まぁ、頑張りなさい」



「うん。
ありがとう、皐月」


「ありがたいと思うなら、此処をおごってや」




……調子がいいな。


あたし金欠で節約中なの知ってるのに、ホント容赦ないんだから。


「わかりましたよぉ」


だけど、皐月のおかげで迷わないと決意した。


迷っても仕方ない。


うじうじしても何も変わらない。



だったら、どんな結果が待っていようとやりつくしたらいい。



怖いけど、恋はちょっとの度胸と大きな闘争心だ。



大好きな人をゲットするには、戦争だ。


大袈裟かもだけど、あたしにとってはそれほど勇気のいるもので、全力をかけてしまえるほどの恋だった。

「あたし、頑張ってみるわ」