場所を喫茶店に移した。


まずは一服と、コーヒーを頼んだあとタバコを取り出していると。



「んで、今度はなんや?」

「フー。 大人の女ってなんやと思う?」


「…………」



煙草をくわえたまま真剣に聞くあたしを、白い目で見つめてくる皐月。


何故か、その視線が痛い。


「プカプカ煙草吸うて聞くことか。
どう見ても、年期の入った女の哀愁漂ってみえますが?」


「はい?」


頬杖ついて窓の外に視線を向けた皐月、あたしは灰皿に灰を捨てながら首を傾げた。


今日はわからないことだからけだ。


ちゃんと高校を出たのに、こういったことに関しては学業なんて何の役にもたたないと思う。


心理学でも学んでいたら、ちょっとは違ったかもね。


「なんで、急に大人の女についてなわけ?」


「ん〜、なんかねぇ、千尋に子供扱いされとるみたいなんよ」


「それで?」


「それでな、愛読書を読んだら『過保護な彼には、大人な雰囲気で』……なんて書いてあったからなぁ」


「ふ〜ん……」