改めて言われてしまうと、反抗的な性格のせいで違うと否定してしまう。


ホントは、お父さん好きだけどね。



あ、そういえば……。



「千尋って、やっぱりお父さんに似とるかも…」


隣に腰かけた千尋を、真っ直ぐ見つめていると、千尋は首を傾げてしまう。


「どんなとこが?」


「見た目やないんよ。
なんかな、優しいと思ったら厳しいし。
いっつもニコニコしとるし」


雰囲気が似てるんだ。


そんなお父さんを、小さい頃は旦那さんにしたいタイプだと思ったりした。


なーんだ、あたし昔からタイプは変わらないんだ。


お父さんみたいな人がいい。


そう思い続けて、ようやく巡り会えたのが千尋だったんだね。




「ふ〜ん。
なんか、俺のこと好き言うてるように聞こえるわぁ」


「…………は」


ほわほわと暖かかった雰囲気が、一気に変わった。


足を組み膝に方肘をついて、あたしに笑顔を向けてくる千尋。


ニッコリと笑みなんて浮かべて、千尋はあたしを誘惑しているのか?



「な、ななな何を言うてんのっ」